「白ちゃんの悩み相談」

深月八尋


「寒い……」

夕日が沈む中、俺は独り中庭の野芝生でゴロゴロと横になっていた。
10月ともなれば夕方に好きこのんで中庭で
昼寝しようという物好きは俺ぐらいで辺りは燦々としている。
それでもなお帰ろうとしないのは、帰りたくない理由があるわけで…。
深月八尋

「だって、あいつが悪いんだ…」

今日は朝っぱらから俺の式神である須王と、派手に喧嘩をしてしまった。
喧嘩なんていつものことだし、一方的に俺が怒っているだけなのだが…。
今回に限っていつも先に折れてくれる須王が
いつになく頑として自分の意見を曲げようとしないものだから少々意地になっていたのだ。
深月八尋

「やっぱ帰ろうかな…」

いい加減夕日も沈んで辺りが暗くなってきて
俺は起き上がろうとした時、俺を真上から覗き込んでくるでかい男と目があった。
深月八尋

「うわっ、なんだよお前!!」


真上から俺の体を跨ぐ様に立たれては、
起き上がろうにも起きれない。
でかい男

「なんだじゃないわよぉ。
あなた、こんなところに寝てたら風邪引くでしょ。
早く帰りなさい」

大柄な体系の男にそんなおねぇ言葉でしゃべられると、
全身に鳥肌が立ってくる。
深月八尋

「お前が俺を跨いでるから
帰りたくても帰れないんじゃねぇかー!」
でかい男

「あら、気づかなかったわ。ごめんなさいね」

そう言うと、見事な金髪を揺らめかせながらすぐに俺の上をどいてくれた。
見事な金髪が、後ろで可愛くポニーテールされており、
外見とは裏腹に、良く似合っている。
深月八尋

「ところであんた誰?」

見るからに部外者であろうその男を
上から下まで胡散臭げな視線を送る。
でかい男

「人にものを聞くときは
自分から名乗るようにって、両親や先生に習わなかったの〜」

両親や先生には言われなかったが、須王には言われたような気がする…。
深月八尋

「…深月八尋」
でかい男

「深月八尋…、深月ねぇ……」

意味ありげに俺のことをじろじろと見てくる。
深月八尋

「な、なんだよ!」

あからさまにじろじろ見られては正直居心地が悪い。
でかい男

「ううん。なんでもない。
私のことは白ちゃんて呼んでね」
深月八尋

「白ちゃん!?」

その体系に似合わない可愛い呼び名に
思わず噴出しそうになる。
白ちゃん

「そうよ〜。可愛い名前でしょ」
深月八尋

「まあ、確かに可愛い名前だね」

似合っているかどうかは別として…。
白ちゃん

「まあ!なんて正直な子かしら!!」

そう言うと名前に似合わず力強い力でぐりぐりと俺を抱きしめてくる。
深月八尋

「く、苦しい〜」


俺は必死な思いで白ちゃんの腕から逃げ出した。
深月八尋

「と、ところで白ちゃんはここで何してるの?
部外者が勝手に入ってきちゃだめだよ」
白ちゃん

「部外者だなんて失礼しちゃうわぁ。
私こう見えてもこの学園の用務員さんやっているのよ」
深月八尋

「ええっ!!」


こんなおねえ言葉で派手な男がまさか用務員だなんて、誰が思うだろうか…。
白ちゃん

「あら、本当に知らなかったの?
これでも私、この学園じゃあ結構名前が知れてると思ってたのに…」

白ちゃんはがっかりしたように肩を落としている。
深月八尋

「ほら、俺て転校生だから。
ここに来たのも日が浅いし、知らなくて当然だと思うし」

俺が必死にフォローするとキョトンとした顔で
俺の顔をじろじろと見ている。
白ちゃん

「転校生?」
深月八尋

「そうそう!!」
白ちゃん

「そうよねぇ。私もおかしいと思ったのよ。
転校生でもなきゃ、こんな可愛い子を私が見逃すはずないもの」

白ちゃんは俺の言葉に頷き、なにやら一人で納得しているようだ。
白ちゃん

「それで、八尋ちゃんは何でこんなに遅くまで
一人でこんなところにいるの?」

辺りはすっかり暗くなってしまっていた。
俺は、ここにいた理由を思い出し、表情を暗くする。
白ちゃん
深月八尋

「それが…」

俺は朝、須王と喧嘩した時の状況を詳しく話し出した。
もともと聞き上手なのか時折優しく相槌を入れたりしながら俺の話につきあってくれる。
白ちゃん

「そう、じゃあ元々の原因はあなたにあるんじゃな〜い?」
深月八尋

「それは分かってるよー」

白ちゃんの前だと自然と素直な気持ちになれるから不思議だ…。
白ちゃん

「じゃあ、早く帰って仲直りなさいな」
深月八尋

「それができたら、こんなに遅くまでこんなところにいないって」
白ちゃん

「フフフッ…。
じゃあ、すぐに仲直りできる方法を教えてあげましょうか?」
深月八尋

「ほんとに!?」
深月八尋

「本当よ〜ぅ。
じゃあ、まずは近くに来て…」

白ちゃんの顔が艶かしく見えたかと思うと
次の瞬間、すぐ近くにあった……。
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深月八尋

「たっだいまー!!」


俺は元気よくアパートのドアを開いた。
須王

「八尋!!!
こんな時間までどこにいたんだ!」

帰ってくるなり、須王がすごい勢いで駆け寄って来た。
心配してくれてたのか?
深月八尋

「ごめんな須王…。俺、お前と仲直りしたくて
すぐに仲直りできる方法を教わってたんだ!」
須王

「八尋、お前何言って
……うわっ!!

俺は白ちゃんに教わった通りに
先制攻撃とばかりに須王の唇に俺の唇をあてがった。
突然のことに対応しきれなかったのか
後ろによろめく須王を俺はそのまま玄関へと押し倒した。
須王

「八尋……っ、やめろっ…て!」

俺は須王の言葉を無視し、須王の唇の中に舌を差し入れた。
深月八尋

「ふぅ…っ」

必死に舌を絡め合わせているとだんだん気持ちよくなってくる。
須王もあきらめたのか俺の後頭部に
手を差し入れ歯が当たらないように誘導してくる。
深月八尋

「ふぁ……っ」

長いキスの後、名残惜しげに唇を離すと
どっちのものと分からない唾液が糸をひいた。
深月八尋

「朝はゴメンな須王…。俺、お前に謝りたくって」
須王

「八尋…」
深月八尋

「ほんとうにゴメンな」
須王

「お前が謝ることはない。俺は別に気にしてないから」
深月八尋

「本当に?怒ってないのか!?」
須王

「ああ、もちろんだ」
深月八尋

「ようし!じゃあ、仲直り作戦第2弾突入だ!!」

そう叫ぶと俺は勢いよく須王の上に圧し掛かった。
須王

「や、八尋!?第2段っ…て…」
深月八尋

「仲直りには、身体同士でぶつかり合う
格闘技が一番だ!!!
須王

「そ、それは何か…間違い…
うわぁ!!
深月八尋

「問答無用!!」
須王

「い…いったい
誰に習ったんだーーー!!

須王の絶叫が静かな夜にボロアパート中にこだました。


唐突にできました、イクエ小話コーナー。
イクエは各キャラのイメージを掴むために、シナリオに入る前に小話を何本か書くのです。
のでリサイクル〜〜。本編を書く前に書いてるので、キャラがちょっと怪しいです(笑)
『白ちゃんの悩み相談 パート2』は秘密のお部屋に置いてあります。高穂×メノウっぽい?!

私の10倍くらいのスピードでシナリオを書くイクエ……。そのスピードはどうやって?!
そんなイクエに感想待ってまーす。すごい喜ぶのでおくったってください(笑)