++++慎二さんと瑞波のお話 その2++++

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※前回までの話はこちら

その言葉に、その場の緊張は途切れ、ざわめき始めた室内にほっとして、
細く長く息を吐く。
「別室で、縄を整えよう」
宇佐美さんは、すばやく僕の手足を戒めいていた縄を解き、
肩を抱いて支え起こす。

この人には優しくされたくなかった。
僕は添えられた腕を振り解いて一歩足を踏み出す。
しかし、自分の意思に反して、足は縺れいて、ふらついてしまった。

「ろくに感覚もないのに、意地を張るな」
悔しかったが、宇佐美さんの言う通りだ。
手を借り、ふらふらと隣の部屋に移動した。

「あまり時間がない。
緩んだ箇所だけ直させてもらう」
僕はこくんと頷いた。
後ろ手に縛られた腕は痺れて感覚がなくなり辛かったが、
モデルを引き受けた以上我慢するしかない。
縄を触って緩みを確かめている宇佐美さんに身を任せた。

「合わせが乱れている……」
ぐいと帯の下の合わせを引き寄せられる。
「……アっ」
とたん、ビリッとした快感が下半身を走る。
下着を着けていない陰部が裏布に擦られたのだ。
宇佐美さんに小さな悲鳴を気付かれただろうか。
僕は心臓の鼓動が早くなるのを感じた。

宇佐美さんは何もなかったみたいに、縄をいじっている。
きっと、気がつかなかったのだ。僕は安堵に緊張を解いた。

「これでは、巧く合わせられない」
「え?」

彼は後ろに立って僕の身体を抱きこんでいたので、後ろを振り返った。
「そんなにしていたら、浮いてしまうぞ」
宇佐美さんの指がその部分を、つつっとなぞる。

「……ッあ!!」
布の上からでも、充分すぎる快感にビクッと肩を震わす。
「薄いから気を付けるように言っただろう」
「やめてくださいっ……っ」
指はすぐには離れず、じりじりと布の上だがしっかりと
カタチの分かるようになってしまった性器を弄る。
布の上だからこそ、普段自分で触るのとは違う
布と指の摩擦で、なおさらペニスが高ぶる。

「このままじゃ、染みになってしまうな」
「だからっ……やめてくださいって」
着物の前合わせに、我慢できなくなった透明iの雫が
じんわりと滲み始めているのが、布のしめった感触で分かる。
「そんなことしたら、絵の被写体ができなくなってしまう……」
「では、このままで父親の前にでるのか?」
「それはっ……」
宇佐美さんはクク……と楽しそうに喉の奥で笑った。
「……困ります」

「ではどうして欲しいんだ?」
意地の悪い質問だ。その間も、宇佐美さんの指は動きを止めない。
「トイレに……行かせてください」
「その不自由な腕でか?どうするんだ、
小便さえ一人じゃ満足にできないくせに」

僕は困って口唇をかみ締めた。
緩慢な動きで煽る指が、じわじわと着物の染みを拡げている。
宇佐美さんが、僕から引き出したい答えは分かっていた。
しかし、その言葉を口にするにはまだ理性が邪魔をしてた。

「このまま姫川画伯の前に出るか、
それとも薄い着物の中で射精するか?……お前、どっちがいい」
どっちもいやだ……。どちらも回避する方法を仕方なく口にした。
「……宇佐美さんの…手で漏らさないようにして……ください」
自分の手が不自由な以上、目の前の男に頼るしか他に道はなく……
「何をするんだ?それだけでは分からんな」
分からないわけないのに、僕の口からもっといやらしい言葉を言わせようと
分からないフリをしている。
しかし、僕は切羽詰っていた。休憩時間もそう長くはない。
「僕の……を、扱いて……っ、だ……させてください……」

切れ切れに訴えるが
「お前の何をどうするんだ?」
「僕の……ペニスを……扱いて射精……させて……くだ……」

精一杯の哀願だった。
その言葉にまだ不満はあるものの、満足したらしい宇佐美さんは
僕の着物の裾を皺にならないように捲り上げた。
むにっ。
「あっ……なにを?!」
「着物が汚れて困るのはお前だ」
確かにそうだが、他人の目に下着もつけていない勃ち上がった下半身を晒すのは
耐えられないほどの羞恥で、思わず目を逸らしてしまう。
かまわずに、宇佐美さんは僕のペニスに指を沿わせた。
じわっと触られた部分から快感が沸き起こる。
「……っ」
先走りで濡れていた性器はぬめりを借りて滑らかに擦られ、
時折、くちゅくちゅと隠微な音を立てる。
宇佐美さんの指は縄を扱うときと同じく、巧みで自分での自慰しかしらなかった僕は
激しすぎる快感に足のつま先まで痙攣させて快感を逃がそうとした。
「……アッ……うっ……っもうっ、も……」
滲み出る精液に白いものが混じり始めている。
最後が近かった。
「待て」
宇佐美さんが袂から何かを取り出した。
「この中に射精しろ」
ハンカチだった。
着物にも畳みにも精液を飛ばすわけにはいかなかったが
ハンカチをあてがわれるのも恥かしい。
しかし、そんな戸惑いも一瞬だった。
「……ひアああぁぁっ……っ」
強く扱かれてあっけなく白いハンカチの中に精液を飛ばしてしまった。
「……っはぁ……ぁはっ……」
ぐったりと宇佐美さんに持たれかかる僕の性器を
そのハンカチの片側でキレイに拭い去った。

「休憩時間は終わりだ」
弟子が呼びに来る前に、普段どおりに振舞わないと……。
僕は両足に力を込めて立ち上がった……がすぐに倒れこみそうになる。
「あっ!!」
その身体が、いきなり空に浮いた。
「足が痺れているとでも言えば良いだろう」
宇佐美さんの肩に抱え上げられ、まるで荷物のように運ばれていく。
「下ろしてくださいっ!自分で歩けます」
恥かしくて暴れたが、宇佐美さんの抱え上げた腕はびくともしない。
「転んで着物の内側を晒したくなければ、大人しくしているんだな」
またくくく……と宇佐美さんが可笑しそうに笑った。
「……キライだ」
抵抗を諦め小さな声で呟く。
「ようやく本音を出した」
キライだと言ったのに、宇佐美さんは目を細めてニヤリと笑った。
やはり好きになれない。

モデルの時間が終わって、縄を解いてもらいながら
もう二度と会いたくないと思ったのに、
その数週間後の入学式。
教師陣の中に信じられない顔があったのは、それからのお話だ。



久々の更新は、前のお話の続きですー。完結v
毎回第一印象の悪い男になってしまう慎二さん。
最初から飛ばしすぎデス……。